瀬谷環境ネットだより

横浜市瀬谷区及び周辺地域の自然環境をよりよいものにして、次世代へ引き継ぎたいとの願いから2006年12月に発足した瀬谷環境ネットのブログです。

ふゆみずたんぼを満喫!

今月16日は元気プロジェクトでした。
早いもので、もう残すところ今回を含めあと2回。
でもまた春になれば田んぼではイネの姿と生き物いっぱいの姿が見れるはずです。


田んぼの冬ってどんな姿でしょう?
一般的な田んぼは冬は水を入れる必要がないので、
カラカラに乾いています。
でも私たちの田んぼでは…


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冬なのに水を入れています。
朝は氷が張っていますね。


これは宮城県で始まった冬季堪水、通称「ふゆみずたんぼ」といって
冬に水を張ることで水鳥の越冬場所、食事の場所を提供したり、
水中で暮らす生き物が生きられるようにしようという試みを
瀬谷流にまねたものです。


簡単にいえば、冬に田んぼに水を入れておくと
たとえ表面がカチカチに凍ってしまっても、
実はいろんな生き物が暮らしているんです!


そんな冬の田んぼを見てみよう!というのが今回の企画。
田んぼのあちこちにクイズラリーを設置して、みんなにまわってもらいます。

開始前からパワフルな子どもたちは凧揚げをしていますよ。


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まぁしかし何しろ寒いです!
今回もたき火ストーブをして、田んぼにはモクモクと煙が立っています。

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説明を受けたらクイズラリースタートです。
各ポイントには手作りのフラッグが立ってます♪
参加した気分になって、ちょっとぐるっとまわってみましょう。


まず1番は「イトミミズを数えよう」のコーナー。
田んぼの土10cm四方の中に●●匹のイトミミズが暮らしています!
ん~でもどうしてこんなことやらせるの??

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続いては、2番 米ぬか・わらまき体験!
冬の田んぼにいったいなぜこんなものをまくんでしょう?
わらや米ぬかはそれ自体肥料になったり、
雑草を抑える役目をしたり、
●●の餌にもなるんだって!

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3、5、6番は これなぁに?のコーナー。
さぁ、みんなで考えよう!!

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4番は2文字~5文字まで、それぞれ1つずつ
今まで田んぼでみかけた生き物の名前を書くよ!
皆さん、いくつわかりますか?

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さぁ、ゲームは終盤。
田んぼの水路には冬も水が流れていますが、
いったい水温は何度なんでしょうか?

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「田んぼ一周したけれど、もう体が冷えちゃった。」
そんなタイミングであったかい紅茶とクッキーで休憩しましょ。

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さて、最後はちょっとお話です。
イトミミズを数えるのはなぜ?

それはあんなに小さなイトミミズが
実は田んぼではものすごく大事な役割をしているからなんです。
ちなみに今回みんなで数えたイトミミズは10cm四方の範囲内で30匹以上。
これは田んぼ一枚で150万匹を越える計算になります。

イトミミズは、頭を土の中にさして、口から食べた土をおしりからうんちとして出します。
このイトミミズが出したうんちはイネにとっては栄養まんてん
それに下から上に土を出すことで、表面にあった雑草の種を埋めてくれたり、
耕してやわらかい土の層(トロトロ層)をつくってくれたり、
土の中に眠っていた栄養を水中に出すのに役立ったり、
とにかくいいことばかり!
ちなみにイトミミズといえばヤゴなどの水生生物の大好物でもあります。

つまりイトミミズは生き物いっぱいの田んぼに欠かせない存在で、
お米づくりを陰で支える主役なんです!
今、各地で有機栽培や無農薬栽培にイトミミズが注目されているんです。
特に冬の間、他の生き物がお休みしている頃に
田んぼでばっちり土づくりをしてくれているんですね。

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それから会長からは「生き物ブランド米」の説明がありました。
生き物ブランド米とは、ある方の言葉をお借りすれば
「生き物がたくさんいる田んぼでとれたお米は、
何より生き物が安全性を証明してくれている」
ということで、ブランド化されて売られているお米です。
全国各地でトキやコウノトリ、マガンやメダカなど
様々な生き物と一緒に育まれたお米がいくつかありますが、とってもおいしいんです。

瀬谷でとれたお米もいつかその仲間入りを!?
とまではいかなくても、たくさんの生き物と一緒に暮らしながら
田んぼを守っていけるといいなぁ、というのが私たちの願いです。

最後はTさんの力作、田んぼの農事暦です。
1年間の活動が大変よくわかるように描かれていて、
米作りのサイクルだけでなく、水やエネルギーの循環を意味する輪が描かれています。

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すずき